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親知らずの治療

親知らずの状態を見極め、適切な判断を

親知らずとは、一番奥の奥歯よりも奥に生える歯のことを言います。他の歯とは違い、20歳前後に生えてくることが多いのが特徴です。
最大で上下左右の奥に4本生えます。
昔の人は現代に比べて顔が大きく、顎も広かったため、親知らずが生えてもさほど問題はありませんでした。

一方で現代は食生活の変化によって顔が小さくなり、顎も狭くなっているため、親知らずが生えてきた時に問題が起きやすくなっています。

ちなみに親知らずという言葉は生える時期の遅さと関係があります。
昔の人は平均寿命40歳程度と短く、自分の子どもが20歳前後になって、親知らずが生えるのを見ることが出来ませんでした。
そこから親が見ることが出来ない歯の意味で「親知らず」となったのです。

適切に生えていない親知らずを抜かなければいけない理由

上記でも書きましたが、顎が広かった昔の人は親知らずはそんなに問題を起こす歯ではありません。
しかし、現代の顎の狭い人々は、以下のような問題が頻繁に起きるので、適切に生えていない親知らずは抜かなければいけません。

1.衛生的問題
親知らずの生え方によっては、親知らずと親知らずと接する歯が磨きづらくなり、歯磨きやデンタルフロスなどのケアが不十分になってしまいます。
ケアが不十分になると虫歯や歯周病になりやすくなるので、親知らずは前もって抜いておく必要があります。
2.歯並び、噛み合わせの問題
水平方向に親知らずが生えた場合など、正常な他の歯が動いてしまい、噛み合わせに異常をもたらすこともあります。
それを防ぐために親知らずを抜歯する必要があります。

他にもこんな状態になった場合は親知らずを抜かなければいけないといけません。

  • 虫歯が神経にまで達していて治療が出来ない
  • 腫れや痛みが続き、どんどんと強くなってきた
  • 顎関節症
  • 歯並びがどんどん悪くなった時に、親知らずが原因の時

親知らずを抜かなくても良い場合

どんな親知らずも必ず抜かなけないわけではありません。
親知らずは以下のような場合であれば抜く必要はありません。

  • 正しく生えていて虫歯もない
  • 歯磨きやデンタルフロスなどのケアが正常に行える場合
  • 腫れや違和感がほぼない
  • 虫歯や歯周病ではない
  • 親知らずが歯茎の深い位置に埋まっていて、悪影響がない場合

こうした場合にはわざわざ親知らずを抜く必要はありません。
「親知らず=抜かなきゃいけない」というイメージがありますが、必ずしもそうではないのです。

親知らずの診断で大切なことは、患者様の親知らずの状態を把握し、抜くべきか、抜く必要はないかの判断を適切にすることです。

親知らずを抜かずに残しておくと再利用できることも

歯が抜けた場所に、健康な親知らずや生えている位置の異常などの理由で使用されていない歯を移植する方法があります。
この方法を歯牙移植といいます。
歯牙移植はブリッジのように両隣の歯を削る必要がなく、また入れ歯や差し歯よりも違和感が少なく、人工のインプラントとは異なり、自然な歯の機能を最大限に生かせるという特徴があります。
一方で、歯周病が進行した状態で顎の骨が失われている場合には歯牙移植は困難な場合もあります。
また歯が抜けてから時間が経過と、抜けた骨が回復するので、骨を削って移植する必要があったり、親知らずの形が悪いと難しかったり、条件によって歯牙移植はできるできないが左右されやすい欠点もあります。

実はインプラントに比べると、歯牙移植は長持ちする度合いは低いのですが、有効利用できる天然の歯があるのならまずそれを利用するという考え方です。

歯牙移植の有効利用

歯が失われて入れ歯や差し歯にする必要がある場合、歯の抜け方によって安定せず、たびたび歯肉が痛くなったり、うまくかめなかったりすることがあります。
特に上や下の片方だけにたくさん自分の歯が残っているのに、かみ合うの歯がなくて入れ歯を入れる場合や、上と下の歯の残り方が互い違いになってしまっているような場合です。
そうなってしまうと、噛んでいる歯や入れ歯や差し歯に負担がかかり、どんどんと天然の歯を失ってしまうことにつながります。
そんな時に、有効に利用できる親知らずが残っているなら歯の無い部分に移植することで、不安定な入れ歯や差し歯の動きを止めたり、かみやすくしたりすることができる場合があります。

問題ある親知らずを抜かずに放置しておく悪影響

抜かなければならない親知らずがあっても、「抜かなければいけないのはわかっているが、歯を抜くのが怖い」と言って先延ばしにしてしまっている方もいらっしゃるでしょう。
問題ある親知らずの場合、以下のような弊害が起こる恐れがあります。

  • 噛み合わせ異常が原因で頭痛や肩こりになる
  • 歯磨きやデンタルフロスがうまく出来ないため口臭が発生する
  • 歯並びが悪くなる
  • 細菌感染してしまい腫れてしまう。親知らずから、顎の下、喉、最悪心臓部まで広がる。

親知らずは問題ないものもありますが、自分の親知らずに問題があるのかないのか、ご自分で判断することはなかなか難しいです。
まずは日々の定期検診で当院に相談して、最善の選択をしていただきたいです。