「痛いときにだけ歯医者に行く」という方もまだまだ少なくないのが現状ですが、定期的に歯科医院で専門的なクリーニングをすることはとても大切です。
定期的にクリーニングを受けている方と、そうでない方とでは残存歯の数に大きな差が出るというデータもあります。歳を取ったら歯が抜けて入れ歯になる・・・そんなことはありません!
しかし何よりも大切なことはご自宅での毎日のセルフケアです。
いくら定期的に歯科医院でクリーニングをしてもらっていても、毎日のケアを怠っていては、虫歯や歯周病は進みます。毎日歯ブラシはしているけど虫歯になってしまった、治療したところがまた痛み出したなどの経験はありませんか?
本格的な予防方法を身につけて歯の健康寿命を延ばしましょう!
予防歯科とはそもそもなに?
予防歯科は天然の歯を生涯使い続けられるようにするための歯科です。
「治療」から「予防」へ
一般的な歯医者では、虫歯や歯周病に対して、歯を削ったり、歯を金属や樹脂に置き換える「治療」を繰り返してきました。
しかしそういった治療は身体に異物を受け入れさせることです。
自分が持っている天然の歯を人工の物に変えていくのですから、身体によいはずがありません。
できるだけ自分の歯を健康的に使い続けるためにはどうすればいいかを、本気で考えるべきなのです。
そのために永久歯が生えたときからではなく、乳歯から・・・いや本当はお母さんのおなかにいるときから、虫歯にならないために口腔内の環境を整えたり、食べ物への気づかいをするべきだという、予防歯科にたどり着きます。
胎児からの予防対策によって虫歯は0に限りなく近づけることができます。
赤ちゃんの頃から予防をしていれば、大人になっても限りなく虫歯はゼロでき、もし虫歯になっても最小限の治療だけで、一生自分の歯で美味しく食事ができるのです。
予防歯科は歯科医療の中心であるべき
日本では予防歯科が大切だと考えている人が少ないので、定期的な歯の検診を行っている人の割合は5%程度と言われています。
しかしヨーロッパでは、約70%の人が定期的に歯のメンテナンスをしています。
つまり予防歯科が当たり前であって、「治療」というのは非常に遅れた残念なことだと考えられているわけです。
予防歯科先進国として有名なスウェーデンは、定期的に歯科検診・クリーニングを受けている人は90%だと言われています。
その結果、80歳の残存歯数(自分の歯をどれだけ残せているか)はスウェーデンでは20本、日本では8本です。
本来、「天然の自分の歯の価値」はかなり高いものです。
もし歯を失った人に「天然の歯を取り戻せるならいくら?」と質問したら、「何百万円払ってでも!」と答えるでしょう。
それこそ大金持ちの方でしたら、何億円、何十億円と答える人もいるかも知れません。
でも、普段は「歯があるのが当たり前」と思っていますから、健康な歯の価値に気がつかないのです。
悪い歯を削る歯科治療から、良い歯を維持するための予防歯科はこれからの歯科医療の中心になります。
当院では、患者様全員が健康な自分の歯を一生使い続けることができるように、予防歯科を通じてずっとサポートさせていただきたいです。
口と歯の健康は、全身の健康と関連があります
「治療」から「予防」へ
口腔内の異常は、全身疾患と密接に関わっています。
例えば口が乾きやすい人を調べてみると高血圧や糖尿病といった病気が見つかることも少なくありません。
歯周病を治すと、心筋梗塞のリスクを軽減できるというデータもあります。
口は臓器の入り口であり、口と歯の健康は、食事、運動、姿勢などの生活習慣も関わってきます。
予防歯科で口腔内の健康を考えることが、身体全体の健康につながるのです。
予防歯科って具体的になにをするのか
歯や口の健康を維持するためには、定期的な検診がとても大切です。
ご来院いただいた患者様には、まず検診をうけていただき、虫歯や歯周病になるリスクを判定します。
その結果に合わせて、最適な予防プログラムを立てます。
そのプログラムをもとに、歯科医師、歯科衛生士が患者様ごとに最適な処置・アドバイスをしていきます。
バイオフィルムコントロール
「バイオフィルム」とは歯にこびりついた汚れのことです。
この汚れは1カ月も放置しておくと、歯磨きでは取れない歯石になり、虫歯の原因となる虫歯菌のたまり場になるので、取り去る必要があります。
虫歯リスクの高い人は、1カ月に1度は歯科での定期検診をおすすめしています。
虫歯リスクが低い方でも、最低でも半年に一回は定期検診をうけて、バイオフィルムが成熟する前に歯石が増える前に取り去るほうが良いです。
唾液検査
試験紙を使って唾液を検査します。
虫歯菌の数や唾液の中和力、白血球数などを調べ、虫歯や歯周病のリスクを判定します。
栄養相談
「歯医者なのに栄養?」と思うかもしれませんが、口と歯の健康に深くかかわっているのは食べ物です。
検診時に食生活についてヒアリングさせていただき、生活や症状に合わせた栄養相談を致します。
栄養相談は、赤ちゃんから高齢の方まで、すべての患者様に対応しております。
年齢・歯の状態に関わらず、老若男女すべての方に意味があるのが予防歯科です
当院でも歯が痛くなるまで歯医者にこれなかったという方が多いです。
しかし、治療をして予防の大切さを知っていただくことで、虫歯になる前に予防することの大事さをご納得していただいてからは、ご家族みんなを連れてきてくださる方が増えました。
虫歯も歯周病もない方でも、唾液検査をしたらリスクが高いことがわかったり、写真で自分の歯の状態を見て、話を聞いているうちに、もしかしたら家族にも虫歯になるリスクがあるかもしれないと気づかれて、家族も一緒に検診してもらうという方が増えています。
当院の診療に納得される方ほど、家族にもすすめたいと思われるようです。
当院が考えている、なによりも予防が大切であるいう考え方がだんだん浸透している結果だと、うれしく思っています。
当院に通ってこられる患者様は、どの年代でも日本全体と比べて倍以上は虫歯や歯周病が少なくなることを目指しています。
虫歯治療も予防歯科の考えをベースに
予防歯科をベースに治療も考えるので、治した後にどう天然の歯を残していくかをしっかり考えて決めることができます。
大切なことは、虫歯を治した後にどれだけ歯磨きやデンタルフロスできれいにしやすい形にしておくかということです。
歯を削ると、歯の寿命は10年縮んでしまうというデータがあります。
歯を削る回数や削る部位を極力減らしながら治せるかが重要です。
自分の歯の寿命を長くすることが目的の予防歯科ですので、治した後のことまで含めた最善の治療方法をご提案できます。