こんにちは!成増駅前歯科クリニックです🍀
10月に入り徐々に涼しい日が増えてきましたね!個人的にはまだ日中は刺すような日差しがあったりもするので日によってはもう少しエアコンにはお世話になりそうです💦
先日診療の際に患者さんから「自分は嘔吐反射が強いタイプなのですが、どのくらい嘔吐反射の方っているものですか?」とご質問頂きました。今日はそんな『嘔吐反射』のお話です。
『嘔吐反射』という言葉、もしかしたら聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、歯科治療などで、口の中に器具をいれるとすぐに「オエッ」となってしまうことを『嘔吐反射』といいます。読んで字のごとく、反射的に嘔吐(えづく)する体の作用で、酷い方だと普通に歯ブラシをするだけでも『嘔吐反射』が出る方もいらっしゃるようです。
原因としては以下の内容があげられます。
身体的要因:舌の奥や喉の敏感な部分に触れることが最も一般的な原因です。また、鼻呼吸が困難な場合や、喉の筋肉が過敏になっている場合にも嘔吐反射が起こりやすくなります。
心理的要因:緊張や不安が強い場合、嘔吐反射が過敏になることがあります。特に歯科治療に対する恐怖心が強い人は、嘔吐反射が強くなる傾向があります。
遺伝的要因:嘔吐反射の強さは個人差があり、遺伝的な要素も関与していると考えられています。
導入ででてきた患者さんからの質問の割合についてですが、正確な割合の統計はでていませんが「10人に1~2人」と言われているようです。
私も普段診療の横について色んな方を見ますが、嘔吐反射の程度に差異はあるものの、治療や日常生活に支障が出るレベルの方は体感全体の1~2割程度かなと思います。
そんな『嘔吐反射』ですが、あるとどんな弊害があるのでしょうか?
①歯科治療への支障
嘔吐反射が強いと、歯型をとる際の材料や口腔内の器具、バキュームの挿入などが困難になり、歯科治療がスムーズに進まないことがあります。また、虫歯や親知らずの抜歯などが、嘔吐反射が原因でできなくなるケースもあります。
②口腔衛生の低下
前述した通り、中には歯磨きをするのも困難な方もいらっしゃいますし、嘔吐反射が故に奥を磨くことに苦労しておられる方もいらっしゃいます。十分なブラッシングができないと、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
③入れ歯の装着困難
今はまだ関係ないと思っていても老後は避けて通れないお話なのが入れ歯です。
そんな入れ歯も嘔吐反射がひどい場合、入れ歯を口に入れる際の違和感や不快感から、正しく装着できなかったり、装着を断念せざるを得ないことがあります。
④心理的影響
歯科に受診する度に嘔吐反射がでてしまっていると、必然と苦手意識が出てきてしまうように思います。強い嘔吐反射が原因で歯科医院への受診を避け続けると、歯の健康が悪化するだけでなく、「歯科恐怖症」と呼ばれる精神的な問題にまで発展することがあります。
では『嘔吐反射』とはどう付き合っていくべきなのでしょうか?
『嘔吐反射』には治療法という明確なものはなく、リラックスや呼吸法、日々からの慣らし、なるべく強い『嘔吐反射』を引き起こさないような配慮が、『嘔吐反射』の緩和・克服といったところに効果があると言われています。
ご自身でトライしてもらいやすいところとしては、鼻呼吸によって喉への刺激を少なくして同時にリラックス効果も得たり、歯ブラシや舌ブラシ等を使って舌の奥を軽く刺激することで徐々に刺激に慣れていく練習をするところから始めてみると良いと思います。
歯科としましては、器具の工夫や体勢の調整、治療法のご相談等をしながら、なるべく強い嘔吐反射のでないような工夫をしていければと思っております!
そのためにも、もし『嘔吐反射』の自覚がある方は事前にご申告頂けますと幸いです🙇様子をお伺いしつつ、できる範囲内で必要な検査から一緒にして口腔内の健康を一緒に保っていきましょう!!