連日猛暑が続いていますが、水分補給はしっかりされていますか?
暑い日には、清涼飲料水ですっきり喉を潤わせたくなりますが、歯科の観点から見ると、水分補給には大きな落とし穴があります。
お菓子などの、甘いものを食べすぎると虫歯になりやすい、ということはよく聞くお話だと思います。それは砂糖(ショ糖)などの糖分がお菓子の中に多く含まれており、糖分が虫歯の原因の一つであるからです。
実は、スポーツドリンクやジュースなどの飲料にも多くの糖分が含まれています。
500mlのスポーツドリンクの中には、スティックシュガー約10本分、500mlのジュースには、多いものだとスティックシュガー約20本分の糖分が含まれている、と言われています。
熱中症対策のための水分補給はとても大切ですが、上記の、糖分が含まれる飲料が虫歯の原因となるため、以下のことに注意をしてください。
・飲んだ後はなるべく歯磨きをする
お口の中に糖分が残り続けることで、プラーク(歯垢)と呼ばれる虫歯の原因となる細菌の塊ができてしまいます。
歯磨きをし、プラークを取り除くことが大切です。
しかし、外出時には歯磨きが難しい場合もありますので、歯磨きの代わりに軽くうがいをすると良いです。
また、夜に歯を磨いたあとに飲み物を飲む際には、糖分が含まれる飲料ではなく、水やお茶を飲むことで、歯磨きをもう一度する必要はなくなります。
・長時間飲み続けない
お口の中は、普段はph(水素イオン濃度)7という、中性の状態です。
飲食をすることで、酸性になる=phの数値は小さくなります(脱灰)。
phの数値が5.5(エナメル質臨界ph)を切ると、歯の中のミネラルが溶け出し、虫歯になりやすい、虫歯が進行しやすい状態になります。
飲食後の歯磨きや、唾液の成分の働きにより、phは酸性から元の中性に戻る(再石灰化)ことができます。
飲食をやめなければ、お口の中は酸性のままとなってしまいます。
お口の中を中性に保つために、糖分の摂取はメリハリをつけ、ダラダラ飲み、ダラダラ食べには注意をしてください。
さらに、糖分が含まれた飲料のphは、2〜5ほどで、エナメル質臨界phより低いため、歯によくありません。
水分補給には、清涼飲料水だけでなく、phが中性に近いお茶を合間に挟むと歯に良いということになります。
清涼飲料水の摂取は悪ではありませんが、夏は口にする機会が多いため、特に注意が必要です。食生活の少しの気配りで、虫歯を予防することができます。
清涼飲料水と上手に付き合って、暑さを乗り切ってください。
お口の中のことで、なにかお困りごとがありましたら、当院にてぜひご相談ください。