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こどものお口の外傷 – part 2

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こんにちは。

成増駅前歯科クリニックです。

前回の「こどものお口の外傷について」のPart 1では、外傷を受けた歯の応急処置についてお伝えしました。
Part2では受傷後に見られる合併症についてお伝えしようと思います。

歯の外傷でまず確認すべき点は、その歯が永久歯であるか乳歯であるか、ということです。
乳歯の場合、後継の永久歯が控えています。後継永久歯への影響が大きいと判断される場合、外傷を受けた乳歯は抜歯をせざるを得ないこともあります。
歯が外傷を受けると様々な合併症を生じます。
代表的な合併症について説明します。

歯冠変色
歯をぶつけると、歯冠が変色してしまうことがあります。ただ、この歯冠変色は治ることもあり、乳歯では、変色してから8ヶ月以内に治る症例が多いです。
☞後継永久歯のホワイトスポット
乳歯が外傷を受けると、影響が後継永久歯に出ることがあります。例えば、歯冠の一部に白い部分が濃く出てしまうホワイトスポットがあります。
☞歯髄腔狭窄
歯の中の神経のお部屋が狭くなる症状がみられることがあります。これは生えてから2年以内の歯が脱臼した場合、3ヶ月以内に起こることが多いです。
☞歯髄壊死
歯が脱臼することにより、血流が寸断されたり、歯が折れた部分から細菌感染が起こった場合に歯髄が失活してしまうことがあり、永久歯に多い合併症です。
ただ、歯根がまだ完成していない生えてきたばかりの歯では少ない合併症です。
歯髄壊死が観察されるのは永久歯の場合、受傷から2ヶ月から1年以内であることが多いので、早期発見早期治療が大切です。
乳歯の場合は受傷後2年くらい経ってから明瞭になる場合もあるので、長期経過観察が重要となってきます。
☞歯根吸収
歯根が溶けて消失することがあります。これは外傷後に生じる独特の合併症です。早期に発見できれば、神経の治療により阻止できます。

どの合併症も、受傷後ある程度の期間が経ってから出てくる症状のため変化にいち早く気が付き、早期発見・早期治療できるよう、歯の受傷後は受傷程度にかかわらず歯科受診をして、経過観察を指示された場合には忘れることなく受診されることをお勧めします。
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